Monday, September 17, 2012

マルコフ行列の中の著者達: どの著者がもっとも人々に影響を与えたのか? (2)


問題: 著者の影響を解析する (1)

まずは問題は何かについて考えてみたい.

私の友人がある著者が他の著者に与えた影響を解析する方法はあるかと私に尋ねた.たとえば,「Shakespeare が他の英文学の著者の与えた影響の大きさを数値化することはできるだろうか.」という疑問である.

どの著作が正統であるか,というようなものに関しては昔から議論がなされてきたそうである.たとえば,http://en.wikipedia.org/wiki/Western_canon を参照されたい.しかし,これはある特定の人物なり団体がこれらの著作が正統であると定めたものであり,様々な議論の対象となってきた.正統なものの中での何らかの順位付けということになるとますます議論は複雑になり,結果として「何が芸術か」という問題になるととても私の手には負えない.

何が正しいのかわからないのであれば,最初の取りかかりとして,私がこうであると定義してしまってもかまわないかもしれない.しかし,それは私個人の好みを示しているに過ぎない.もう少し一般化して多数の人間の好みを調査することでどの著作が影響力が強いかということを示すことはできるかもしれない.人に好まれる本というものは,本が出版された数に関係すると仮定すれば最も多数出版された本が最も影響力の強い本ということになるだろう.ただし,私の聞いたところによると最も多く出版されてきた本は IKEAのカタログ (http://en.wikipedia.org/wiki/Ikea_catalogue) か Bible かという話であり,IKEA のカタログが文学に最も影響を与えたというのはどうも直感に合わないような気がする.IKEA のカタログは文学ではないというかもしれないが,どこから文学でどこから文学ではないというのも考えていくと難しい.出版数ではなく,売れた数を考えるという方法もあるが,新聞や雑誌の売上と影響力は関係はあるかもしれないが,それを基準に使えるかは難しい議論になる.

問題は簡単ではなさそうだ.どこから手をつけようか迷う.

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