Skip to main content

ニュースソース (Germanwing 機墜落事故について)

先日 Germanwings の墜落という惨事があり,まずは犠牲者とその関係者の方にはお悔やみを申し上げます.

これについて報道のソースにちょっと疑問があり,このブログを書いています.

いくつかの日本の新聞が「ビルド誌によれば」というふうに書いていますが,ビルド誌はドイツのいわゆるタブロイド誌であり,芸能人のゴシップなどの記事を中心にしている新聞です.センセーショナルな記事が売りの,日本のいわゆるいくつかのスポーツ新聞の役割をしている新聞です.

たとえば,以下の報道で,

http://digital.asahi.com/articles/ASH3W722YH3WUHBI02H.html?ref=nmail

副操縦士に「精神科の受診歴があった」,「失恋に苦しんでいた」の話はこのビルド誌の報道を朝日新聞が紹介したものとなっています.

以下の記事の最初のリンクでは副機長の年が 27 歳,次では 28 歳になっています.記事は一日違いですので,3/27がこの人の誕生日だったのでしょうか? (2015-3-31(Tue)の時点で,今後訂正が入るかもしれませんが)

http://digital.asahi.com/articles/ASH3W2FT1H3WUHBI00C.html?iref=reca
http://digital.asahi.com/articles/ASH3V7GWKH3VUHBI033.html?iref=reca

3/28の時点ではフライトレコーダはまだみつかっていないという報道が主です.私は素人ですが,Wiki pedia によればフライトレコーダーがなく,ボイスレコーダーのみでは通常コックピットでどんな操作があったかは不明のはずです.そう考えて読むと,操作についての各社の報道は推測なのか,どこまで事実としてわかっているのか実は不明なように読めます.

またボイスレコーダが回収されたとは公式な発表はありましたが,内容は発表されていないという報道も同時にありました.しかし,その後,内容の報道があいつぎました.しかし,公式発表という話がみあたらないのです.

それでボイスレコーダーの内容の出所を探すと,以下の報道では再び「ビルド誌によれば」となっています.

http://fox4kc.com/2015/03/30/leaked-germanwings-voice-recording-as-agonizing-as-expected/

公式には内容は発表されていないとこの報道ではされています.しかし日本の道ではそういう話がわかりにくい印象です.あるいはドイツの地元紙によればという新聞の名前が公表されていないものの引用があるのなぜでしょうか? 私はたまたまドイツに住んでいるので,紙面の名前とタイトルを教えてくれれば元の記事を探すことができるのですが,それらがないと探すことができません.というのも,翻訳の違いなどが時々見うけられて,ドイツの友人の前で恥をかくことがあるので,原文を確かめたい時があるからです.

今回の報道についての私の現在の疑問点は,ニュースソースの信頼性(公式な発表とわかるものが少ない)です.

  • ドイツのスポーツ新聞である「ビルド誌」のみがソースの情報がいくつもある
    • 例: コパイロットの元恋人の告白
    • 例: コパイロットは精神疾患であったと当局の関係者から聞いた
  •  フランスのエアバスの事故でありフランス当局が捜査をしているが,コパイロットが精神疾患であるという情報が「ビルド誌」にリークされてそれを日本の新聞のいくつかがそのまま報道している.現時点でビルド誌のスクープを除くと私には他にまったく原因がなかったという結論はまだ早いと思う.次の飛行機事故防止は重要なことであるので,早急すぎる結論は不安である.
  • コパイロットの年齢ですらゆれている.単なる間違いとしても情報の質に不安がある.
  • ボイスレコーダの解析には通常時間がかかると報道されることが多く,また公式発表はないようだ.ただし,出所を探すとそれが不明情報が大きく報道されている.

おそらくまだ情報が交錯しているという状態で,今後どうなるのかわかりませんが,今の報道の状況は少し注意した方が良いのではないのでしょうか? 私には何が間違いとは断定はできませんが,現在でている情報としては質が安心できない感じがします.

皆さんはどうお考えでしょうか?

Comments

Popular posts from this blog

共有メモリによるプロセス間通信

Unix の共有メモリを使ったプロセス間通信について調べて実験をしてみた.対象は1つのホスト上での複数のプロセスである.ネット上でいくつか例題はないかと探したが,どうも良い例となるコードが見当たらなかった.結局はある解説記事と,Stack Overflow の議論と,man page を見て作ってみたものになったので,例をここに置くのも有用かと考え,この記事を書く.(もしかしたら探し方が悪くて良いコード例をみつけられなかっただけかもしれない.) mmap を使うかどうかという話がいくつもでていたが,POSIX の方向としては,shmem_open と mmap を使うという方向があるということだったので,それを信じてその形での実装を試してみた. 基本的なコードの流れは次のようになる. 共有メモリ領域を1つのプロセスが shm_open() を使って作成する.その際に,プロセス間で共通の文字列を識別子(``identifier'')とする.(Linux ではこれが /dev/shm/identifier のように見える.) 共有メモリ領域を mmap() でメモリにマップする.共有メモリポインター (shared_ptr)が得られる. shared_ptr を使って複数のプロセスで通信をする. 利用終了後は munmap() をつかってマップを消す. 共有メモリオブジェクトを shm_unlink() によって消す. 以下に示すプログラムは,server と client の2つのプロセスが共有メモリを使って通信をするものである.ここで,server プロセス数と client プロセス数は共に 1 を仮定する.server と client は自分の領域にしか値を書き込まないことで,ロックを避けている.互いに相手の値を読み,それよりも1大きい数を一定の期間ごとに自分の領域に書くという例題である.シンプルではあるが,共有メモリで通信をする基本としては十分なものだと思う.ソースコード(shmem_test.cpp)を以下に付加する.ソースコードのコメントにコンパイル方法とどのように利用するかを書いておく. /*   Shared memory inter process communication minimal exa

複数の線を持つ線グラフを Jenkins の plot plugin で描く方法

私は毎夜のソフトウェアテストを自動化するために Jenkins というツールを使っています.今回は, valgrind  を使ってメモリーリークのテストを自動化することにし ました.その際,エラーの数の結果をグラフとして表そうと思って, Plot plugin  を使うことにしました. Plot plugin の例図からは,複数のデータラインを描くことができるのは明らかなのですが,どうやったらいいのかは参照のページや,例としてあった Perl script,plugin 中の help からは私にはよくわからなかったのです. ここで重要な考えは,それぞれのデータラインにはそれぞれの出力ファイルが必要ということでした.私はこれを誤解していました. 例として,ビルドの時に次の property データファイルを出力します.それぞれのファイルが1つのデータラインを表します. valgrind_trunk_result.definitely.property valgrind_trunk_result.indirectly.property valgrind_trunk_result.possibly.property それぞれのデータの中身は1行のデータ点です.たとえば, valgrind_trunk_result.definitely.property ファイルの中身は次のような1行 です. YVALUE=0 このファイルを ${WORKSPACE} ディレクトリ以下に出力します.ここで," WORKSPACE " は jenkins が提供する環境変数です. 図1が私の plot plugin の設定を示しています.これは jenkins の config 画面です.3つの data series があって,それぞれにデータファイルがあります. Figure 1: Plot plugin configuration in Jenkins 図2が結果です.複数の線が描かれているのがわかります.(実際には 3 本の線がありますが,最初の線と2番目の線が同じデータなので,重ねって見えません.) Fugure 2: Plot data with multiple data lines

ソニーのカメラ (α 5000) の 30 分のビデオ録画時間の制限を外す方法

私は Sony の Alpha 5000 を気にいって使っています。しかし一つだけ問題がありました。それはビデオの録画時間の制限が 30 分というものです。 今日,ちょっと気になって探したらこの制限を解除できることがわかりました。以下のビデオがその紹介です。 https://youtu.be/7cstA_PuRIg このビデオの作者によれば,ほとんどのソニーのカメラのビデオの制限はなくせるそうです。ただし私が試したのは,Alpha 5000 のみです。 手順 カメラ側 スイッチ On Menu -- Setup --- USB connection を MTP にする スイッチ Off and On USB ケーブルでカメラをコンピュータに接続する (以下接続したままにする) コンピュータ側でソフトのダウンロードとインストール (私は Windows 10 で試しました) 次の URL に行く https://sony-pmca.appspot.com/apps ただし,Internet Explorer か Safari のみサポートということでした。Chrome では上手くいきませんでした。私が試したのは Windows 10,Internet Explore 11 です。 注意事項: このサイトは Sony のサイトですが,ここにあるソフトウェアは Sony のものとは限らないので保証はありません。御自分でリスクを判断してご利用下さい。当方も何も責任を負えません。 上記の URL から,OpenMemories のページに移動する。 このページにある PMCADownloader plugin (PMCADownloader.msi) をダウンロードする PMCADownloader をインストールする 私はいちどここでページを閉じてもう一度 https://sony-pmca.appspot.com/apps を開き,OpenMemories のページに移動しました ここで log に Loading plugin Plugin loaded と表示されます。PMCADownloader の Install がされていない時には,``Plugin loaded'&#